コラム『百姓のまなざし』

百姓と風

田畑には香りがある

畑を耕していると土の香りがしてくる

草刈りをしていると草の香りがつよくなる

畑仕事をしていると静かな風が香りを運んでくる

この風はどこからやってきたのだろう

いろいろな場所をめぐり

いち百姓の元に香りを運んでくれたのだろう

あそこで飛んでいるツバメさんも

空の気を読み

風を読み

香りをかいで

過去に何が起きているのか

察知しているのかもしれない

そして

いつも当たり前に吹いている風も

ここに立っていると意識を持っているように感じてくるのだ

この風がこれからどこへ行きどんな変化を遂げるのだろう

もしかしたら、100年後の百姓の元に現れて

また、心地よい風を吹かせてくれるかもしれない

私が受けたこのエネルギーとメッセージが

その百姓にも届くといいな