コラム『百姓のまなざし』

空に田んぼがあった

夜、田んぼに水を入れにいく

水見なので、畦を歩き下ばかりを見ている

だが、ふと空を見上げると

そこにもう一つ大きな田んぼがあった

なんだ天も地も同じじゃないか

昔は田植えを綺麗に揃えて植えずに、乱雑に植えていたと聞いたことがある

なぜだろうと思っていたのだが
その答えが空にあった

この満点の星空を地に降ろしたのだ

天と地を同時に見ているこの百姓のまなざしが

今まで引き継がれてきたと思うと

先人たちはどれだけ、農の中に身も心も没入していたのだろうか

過去から未来へ

そして、引き受けた景色と

今を生きるために