コラム『百姓のまなざし』

手植えの尊さ

山下農園の【昔ながらの百姓仕事を行うための田んぼ】で手植えをしました。
 
手植えをしていると、この一つひとつの手植えが家族や血族の命の元になるものを育てているんだという気持ちが湧いてくる。
 
この手植えという長い時間をかけることで、その気持ちが百姓の精神となり思想となり、ごく当たり前のこととなる。
 
生き物や食べ物に対する精神が日常の百姓仕事から深く育まれる。
 
今日はこの田にもち米を植えた。
このもち米で作った鏡餅を拝む迫力をイメージして感じて欲しい。
 
決して田植え機作業では育まれない尊い何かを感じるはずだ。
 
近代化の農業はこういった精神を守れなかったのだ。
 
山下農園の手仕事用の田んぼは、こういった近代化の犠牲となった、百姓のまなざしから生まれた精神を蘇らせるため、育むため、気づくために用意した。
 
時代の精神に少なからずとも背を向け続けながら、自分たちの百姓人生を生きていきたい。